材料科学科へようこそ!

写真)2年生「材料科学実験」の授業風景

スマートフォンから宇宙ロケットまで

「材料」はすべてを支えるチカラ、

なりたい自分にピッタリ合った

職業・職種が見つけられる!

多彩なコース設定で未来をデザイン

ハイブリットカーや太陽光発電など、

製品の高性能化と環境にやさしいモノ作りには

新素材開発とそれを利用する力が不可欠です。

最先端の研究と最新の設定で

キミの夢やアイディアをカタチに!


平塚工科高校で「科学技術」授業

2016年4月23日

平塚工科高校では東海大学の先生による「科学技術」の授業を行っております。
今年は4回の授業が予定されており、5月26日は2回目の東海大学工学部材料科学科 高尻雅之准教授による「熱電変換材料と環境エネルギー発電」に関する授業が行われました。授業には形状記憶合金や新機能ガラス、航空機などで使われている複合材料(CFRP)や熱電素子などの体験実験が盛りこまれ、非常にわかりやすく興味深い授業でした。


宮沢先生が貴金属に関わる研究助成金を受賞しました

2016年5月

材料科学科の宮沢靖幸教授が貴金属に関わる研究助成金を受賞しました

工学部材料科学科の宮沢靖幸教授がこのほど、田中貴金属記念財団の「貴金属に関わる研究助成金」でMMS賞を受賞しました。これは、田中貴金属グループによる貴金属が開く新しい世界へのさまざまなチャレンジを支援することを目的とした研究助成金制度で、貴金属が貢献できる新しい技術や賞品の実用化に向けて研究・開発を行っている個人やグループに贈られるものです。

宮沢教授は、「Ag添加によるろう付時の母材劣化現象抑制効果」のテーマで受賞しました。ステンレス鋼と純銅を、銀を含むろう材を使って接合したときに、純銅とろう材の接合部(粒界)にろう材の一部が侵入してしまい悪影響を与える現象のメカニズムを分析。これまでは母材への影響を抑えるためにはろう材に含む銀の含有量を減らした方がよいとされてきましたが、実際には銀の含有量が多い方が侵入量が少ないことや、ステンレス鋼に含まれるニッケルも母材の劣化に影響を及ぼしていることを明らかにしました。

宮沢教授は、「金属同士をろう付する際にこうした現象が起こることは事前には予想しておらず、大変興味深い結果が出たと考えています。一部では金属材料は研究し尽くされているとも言われますが、今回の成果のようにまだまだわからないことが多いのが現状です。こうした基礎研究を評価いただいたことを励みに、これからもしっかりと成果を積み重ねていきたい」と話しています。


工学部が新たな取り組みを展開中

2016年4月1日号

研究力の向上を目指す工学部の新たな取り組み「工学部研究会」が2015年度からスタートしている。

さまざまな研究テーマを学部内から募り、研究会などの開催を支援することで、他学部も含め学科をこえた教員同士のネットワークづくりやマッチングをうながし、さらなる研究の活性化につなげることが目的。初年度は、約10のテーマに関する研究会が発足した。

このうち2月25日には、「冶金金属研究会」(代表=材料科学科・宮沢靖幸教授)が講演会を開催した。当日は、学生や教員約30人が参加し、神奈川県産業技術センターの高木眞一氏が産業界において冶金・金属分野が担う役割や産官学連携の現状、課題を説明。メンバーの一人で文学部の山花京子准教授が、考古学の研究成果をもとに古代エジプトにおける金属工芸技術を紹介した。

また、「生理活性物質・生体材料研究会」(代表=応用化学科・毛塚智子准教授)では、3月4日に神奈川大学工学部の岩倉いずみ准教授による講演会「反応遷移状態をみたいと思いませんか?」を実施。化合物の反応過程を直接観察する手法の一つである「遷移状態分光法」の歴史や、これまでの研究成果を紹介した。

吉田一也工学部長は、「共同研究を成功させるためには、学部や学科をこえた日常的な研究交流が欠かせません。この取り組みを大いに活用し、教員同士が互いに楽しみながら切磋琢磨できる環境をつくっていければ」と話している。


ものづくりを支える材料科学

2011年8月1日号

ナノの視点で科学の未来を拓く
工学部材料科学科 葛巻 徹准教授

金属やセラミックス、高分子材料など、工業機器や製品類の材料に使われる物質を研究する材料科学。その手法を生かし、腱(けん)や靭帯(じんたい)を組織する膠こう原げん繊維(コラーゲン)再生のメカニズムを解明する研究が、工学部材料科学科の葛巻徹准教授らによって進められている。学校法人東海大学総合研究機構「プロジェクト研究」に選ばれたこの研究と材料科学の魅力を聞いた。

工業機器の材料・部品に使われる金属など、ものづくりの基礎となる素材を研究する学問として発達した材料科学。葛巻准教授はこれまで、透過型電子顕微鏡や原子間力顕微鏡などを駆使したナノテクノロジーを生かして、さまざまな金属や炭素繊維などを原子のレベルで見つめてきた。

例えば、約20年にわたって続けているカーボンナノチューブの研究。この素材はアルミよりも軽く、同計量の鉄よりもはるかに強い。半導体や燃料電池のほか、地球と宇宙空間とをつなぐ軌道(宇宙)エレベーターのワイヤーへの応用が期待されている。そして、人間の髪の毛の性質を人工的に再現した、新素材の開発研究も進行中だ。「髪の毛は木材を運ぶ綱の材料に使われるなど、その丈夫さは昔から知られています。髪の毛の持つ強さの秘密に新しい繊維素材のヒントがあると考えています」

観察する対象の幅広さだけでなく、ナノの世界の奥深さにも驚くことが多いという。「素材は同じでもナノサイズになるとまったく違う性質を示すこともあります」と語る。電子顕微鏡を使って物質を観察し、原子レベルの構造が分かれば物質の持つ特徴の起源が明らかになるという。さらに構造を観察しながら加熱や変形などの加工を行うことで、物質の特徴を探っていく。

腱再生のメカニズムをミクロの目で調査
今回採択された研究「膠原繊維の応力誘起自己組織化現象の解明及び人工腱形成法の開発」は、人工腱を研究する医学部の鳥越甲順教授らと共同で、人の腱が再生するメカニズムの解明を目指す。

「アキレス腱や靭帯の治療は、医師の経験に頼る部分が大きかった。そこに、材料科学的な視点と定量的な研究を加えることで、新しい治療法の確立にもつながると期待しています」と葛巻准教授。断裂した腱が再生していく過程で分泌される物質に着目し、腱や靭帯を構成するコラーゲンの性質や特徴を調べる。「これまで扱ってきた金属などの無機物と違って、生体試料ならではの扱いの難しさがありますね」

葛巻准教授は、今回の研究でナノ材料試験システムの開発にも着手。電子顕微鏡内にマウスの腱を装着し、ナノレベルで観察しながら生体試料の引張・加工などの実験を行っていく。今後はこの研究成果を評価し、成果をまとめた研究データを医学部へ還元、新たな治療器具や治療・リハビリ技術の開発に役立てられる予定だ。

宇宙から医療まで多彩な分野に広がる
宇宙エレベーターのワイヤーや髪の毛をヒントにした新素材から、先端的な基礎医学とナノテクノロジーを融合させた研究まで、材料科学の扱うテーマは広大だ。しかし、ひとつの発見が科学の未来を拓く素材の開発につながっているとしたら、非常に心躍る分野であることには間違いないだろう。


電子顕微鏡をのぞくと新しい発見が待っている

「子どものころは機械の仕組みよりも、パーツの色や素材の違いに疑問を感じていました」と話す。 同じ大きさのねじでも磁石に付いたり、付かなかったりするのはなぜだろう? 素朴な疑問が科学への興味につながり、材料科学の分野を目指すきっかけになった。

大学と大学院では金属とセラミックスの結合について学んだものの、就職先の研究室でたまたま恩師からフラーレンという炭素物質を紹介された。以来、研究対象を大きく変更。このフラーレンの製造過程で生まれた新素材「カーボンナノチューブ」に注目して研究を重ねてきた。

現在、葛巻准教授のもとには医療だけでなく繊維や食品など、新素材の開発を目指す研究機関・企業からの調査依頼が絶えない。葛巻准教授は材料科学を「普段とはちょっと違った視点で物質を観察することで、新しい性質や新時代を拓く新素材の発見につながる。そんな、面白さに満ちた分野」と話す。

「電子顕微鏡を通じて、難しい理論やさまざまな現象をすべて可視化するのが夢。電子顕微鏡で見えるナノの世界が、子どもにとって、科学への興味を持つきっかけになればうれしく思います。百聞は一見にしかず、ですね」

葛巻 徹准教授
1990年に東海大学大学院工学研究科修了。東京大学生産技術研究所講師などを経て、2007年に東海大学へ赴任。今年度より現職。